2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

最初のアラスカの旅

今から38年前(1973年)、私たちは初めての海外旅行ということでアラスカへ行った。貧しい結婚生活をしながらも、若いうちになるべく早く一度は海外に出て見たいと思っていた。しかしその頃、海外旅行は貧しい若者にとっては夢だった。ナホトカまで船…

Homer・・・2

その日の午後、一人の男が訪ねてきた 「8月15日、サンドポイント上空から挨拶したのは・・・私だ・・・」と ハリバット(オヒョウ)を解体中にホバーリングしていたヘリの人!? 写真上 ヘリコプターのパイロット、Larryさん 「今日はオフなので一緒…

Homer・・・1

9月8日、ハーバーマスターが税関へ連絡 新しい航行許可証はヘインツ(Haines)にて発行されると 写真上 RandiさんとボーイフレンドのMikeさん ハーバーマスターの事務所でRandiさんが話しかけてくる 「あなた達、洗濯物があるでしょう…

旅・・・断想

大きな予定は立てるが・・・細部はどうでもいい 季節、地域、海域は重大な要素である 問題の海図は・・・完璧ではないが、何とかいつも手に入る 更なる要素は 天候、潮、町、村、人、動物達、補給、修理・・・目的が見えてくる 要素は突然現れ、予定の行動は…

ホーマー(Homer)へ・・・2

9月7日、早朝から漁船全て出港していく 彼らが投錨していた場所に移動し錨を下ろす さすがにベストポジション! あまり奥へ投錨すると奥の岸からの返し波が船を揺らす 10時の気象FAXを見て私達も出港を決める 低気圧が近づきつつあり 昨夜は風がよく…

ホーマー(Homer)へ・・・1

07時バック湾抜錨、他の船はまだ眠っている 時々ブロー(突風)は有るものの海況は悪くない マーモット海峡(Marmot Strait)へ 「幅2、5海里の狭い海峡、危険な海岸 水深は浅く、潮流は早い・・・」と水路誌に記載されている 西の風16m…

出発の準備

船長が40歳を過ぎた頃、いよいよ世界一周を実現させるべく、そのための船を探し始めた。新艇など到底無理であるから、30フィートクラスの中古艇を探していた。いろいろ見ているうちに、ヴァンクーバーから世界一周をして日本に来た家族が船を売りたがってい…

コディアック(Kodiak)島出港

2時間ほどで油圧のパイプ交換し 広い海域でテスト航行・・・OK やはりオンディーヌの舵効きは敏感で、それなりに気をつけたほうが良いとのこと これ以降、故障はなくなった コディアックベア(アラスカ最大のヒグマ)には会えなかった 「カタプール」のパ…

コディアック(Kodiak)島・・・3

オンディーヌは船尾に日の丸を揚げている 日本船籍の船は海外でも国内でもそうすべきだが・・・・国内ではあまり見ない 「日章旗」を見て多くの人がオンディーヌへやって来る 写真上 リチャードさん夫妻、英国の観光客、「世界一周なら我が家にも来て!」と …

コディアック(Kodiak)島・・・2

コディアック(Kodiak)島での課題は 税関にて「航行許可証」の一ヶ月延長・・・マスト破損が理由 自動操縦装置のチェック・・・現地代理店「レーダー・アラスカ」 不足分の海図の入手・・・ 食料購入・・・など そして、コディアック・ベアーにも会い…

コディアック(Kodiak)島・・・4

コディアック島滞在中に9月に入ってしまった 写真上 草原も秋の色に染まる 修理が終われば冬に追い付かれる前に南下したい・・・ 心は急き、どこか心から楽しめない自分がいる 写真上 サーモンシーズンも佳境に入る、河口に沢山のアマチュアフィッシャーマ…

コディアック(Kodiak)島・・・1

8月26日19時20分、コディアック(Kodiak)港ハバーマスタへ入港の許可をVHF(無線)にて求める 「しばし待て・・・」と 薄暗い中、すぐ脇にセスナの水上機着水して驚く 写真上 港の水路近くに着水するセスナ 「スモールボート桟橋の奥へ」と…

コディアック(Kodiak)への航海

コディアック島はアラスカ西部のメジャーな漁業基地の一つである 人口は3500人前後だがサーモンシーズンには多くの労働者が流入する 直行で46時間位、途中で一泊するかは悩むところだ 初日の夜間航行で一部詳細な海図がない 波の静かな夜、比較的背の…

有難うダグ・・・6

8月21日 ダグの船が帰ってきた ピーターパンからVHF(無線)で連絡 今日の飛行便リストに君の荷が乗っていると ヒッチハイクで飛行場へ 低い雲の中からYSー11が着陸する 日本製の飛行機になんだか感激する 部品ではなくオイルプレッシャーの完成品…

有難うダグ・・・5

悪天候で飛行便が欠航したり 注文の部品が手違いで、一部遅れたりして たっぷり読書ができる 夜更かし、朝寝坊のパターンに入り込む 河出書房新社「ギリシャ」 「中世ヨーロッパ」 「絶対君主の時代」 「近代への序曲」 「大唐帝国」 プラトンの弟子アリスト…

有難うダグ・・・4

ハリバットを釣り上げたため食べた料理 ハリバットの塩焼き・・・日本酒に合う フライ・・・タルタルソースでパンに挟み「フィレオフィッシュ」 刺身、縁側刺身・・・薄作りが良い、縁側は少々硬い 軽く炙ってお茶漬け・・・中くらいにほぐし・・・絶品 一夜…

有難うダグ・・・3

ダグは漁に出る前、サンドポイントの彼の友人を紹介してくれる 「私が不在中、頼りになる人たちだ・・・」と インゲ マルチネセン(Mr.Inge Martinsen)氏 ピーターパンが出荷するコンテナ船の配船をしている実業家 ハンティングと釣りのショップも経営してい…

アメリカ村の猫たち 1 クーパーの死

8月15日にサンドポイントに戻り、東京に電話をするとクーパーが死んでしまったという。クーパーはうちの雌猫では一番好きな猫だった。パコの妹で、いつの間にか我が家に居ついてしまったのだが、最初の頃、泥棒猫のように腰を低く、そっと入ってくる様子が、…

有難うダグ・・・2

修理部品到着まで数日ある 港は有料であるし 一旦出港し、近くでピクニック・・・錨泊することにする 2時間のセイリングでBlbatross Amcharadeに慎重に入り込む 小さな入り江である 海岸近くに投錨、霧が出てくる アザラシが海中からヌル…

有難うダグ・・・1

休漁の日(アラスカ州政府の「フィッシュ・アンド・ゲーム」の部門が州全体の漁獲量を監視し、出漁の日を決めていた)と言うことでダグがオンディーヌへやってきた 私はオートパイロットの点検をしていた ダグの漁船「Mrs.Sue K.」の乗員ラリーを呼…

サンドポイントへ

風もさして吹かなかった 少々トリッキーなルートであったが 約10時間でサンドポイント(Sand point)到着 到着30分前霧が出始めるも 港近くにブイがありレーダーにはっきり映り安心 フランス艇「ジャバデュー」はすでに到着している オートパイ…

ドルゴイ ハーバー(Dolgoi Harbor)

応急修理のマストの旅である 安全そうな錨地、港を巡りながら旅を続けるしかない ハバーマスターは「ハーバーホッピングだね」と 8月9日上天気、風も弱い フランス艇「ジャバデュー」はすでに岬をかわしている 高木さん、エンジニア氏、事務の女性、今日も…

WILLIWAWの村・・・9

マスト破損について 破損の引き金を引いたのは 7月28日のワイルドジャイブ(主帆の暴れ)だろう 私の操船ミスでもある 遠因としては10年の中古艇であること カナダから世界を巡って日本へ来た訳だからかなり使い込んでいた 実際、メインエンジンは換装…

WILLIWAWの村・・・8

8月8日大風は続き今日も出航は無理だ アレウト人はそろそろ風は止む頃と言う 時間はたっぷりあるから本が読める 数日前から読み出した 澁澤龍彦著「高丘親王航海記」を読みおえる 幻想文学とでも言うのか? 気の弱い旅人がいろんな妄想に取り付かれ・・・…

WILLIWAWの村・・・7

妻は夏の洋服を洗い整理・・・ピーターパンのランドリーが助かる メインエンジンと発電機のオイルとエレメント交換、ファンベルト調整やることは一杯ある・・・・ 昨日つまらぬ事(誰かにとっては、つまらぬ事ではない・・・・?)で喧嘩になり 今日も気まず…

WILLIWAWの村・・・6

チーフエンジニア氏が電動ドリル、ドリルの刃、タッピング、ボルトなど工具袋に入れて持ってきてくれる。パーツはすべて鉄であるが、短時間(ヴァンクーバーまで)の使用であるし、錆びてしまったほうがフィットしていいだろう 「私は今日忙しい・・・君一人…

WILLIWAWの村・・・5

ヴァンクーバーのフィンリー氏へ手紙を書く 「8月2日、今私たちはアラスカ半島の西端、King Coveに停泊中です。 マストがねじれ、通常の帆走は不可能です。 ヴァンクーバーまでは応急修理のマストで航行しようと思います。好天をとらえ、9月末ま…

WILLIWAWの村・・・4

8月にはいった 夜半から強風が断続的に吹く 昼過ぎには凪となる 写真上 岸壁からの鱒つり 自動操舵は保障期間中なのでニューヨークの代理店へ連絡 必要な部品は次の寄港地「Sand Point」に送ってくれると のこと・・・再度指定箇所をチェックし連…

WILLIWAWの村・・・3

翌日マストを見ていて、何かが変だ! マストの中心が少し右にツイストしている デッキとマストの防水カバーを慌てて取り除く ヒビが入り少しつぶれている!! 妻とそれを見て・・・呆然自失! この旅は続けられるだろうか・・・? 気を取り直し、ハーバーマ…

WILLIWAWの村・・・2

夜半から小雨、朝になり風強くなる この辺の魚加工業は「ピーターパン シーフーズ」が仕切っている 電話やFAXを使わしてもらい東京と連絡もスムースだ Alaska Marine PilotsのキャプテンW.コークさんからこの海域の詳細潮汐表を頂く …